2025年 10月 15日
過去完了形は大昔 |
高校生のころ。
英語の授業で、過去形よりももうひとつむこうの過去を何というか、という質問に指された里子は、迷った挙句、”おおむかし”と応えてみんなを笑わせた。
里子も一瞬赤面してから笑った。
正解は、”過去完了形”
里子の答えがあまりにもかわいらしくて、忘れられない。
もちろんそれから40年以上経つのだから毎日思い出さないけれど、ときどきなにかの折りに思い出してはくくっ、と笑う。
時間がゆっくり流れていたあの頃。
たった数年ともに過ごした友人たちはそれから互いに沈黙のままであっても、写真は色褪せようとも、想い出はより鮮やかになっていく。
過去のこと。
もう完了したこと。
終わったこと。
塵箱に放られたようなことがいつまでもわたしについてくる。
しばらく着なかった上着を羽織ったら、ポケットの底に飴玉の包装紙を見つけたみたいに。
何気なく頬張った飴玉の酸っぱさも、そのとき踏みしめた枯葉の色や匂いが蘇る。
小さなできごとはレゴブロックみたいなもので、隙間ができたり、ぐらぐらしながら積み重なる。
そうやってわたしがある。
by ymomen
| 2025-10-15 02:53
| 思い出
|
Trackback
|
Comments(2)
momenさん、こんにちは!
過去完了形は大昔、なんだか可愛い答えですね。 なんだかほっこり。
思い出といえば、娘が幼稚園に通う前に日本のプリスクールに数か月通っていた事があったのですが、お迎えに行った帰りに 私が英語の単語を言って、娘が日本語の単語を答えるというゲームを車のなかでしていて、「Dirtyは?」と聞くと「ゲッ、きたない!」と答えて大爆笑したのを思い出しました。 そういうあどけなさって大人になると無くなっちゃうんですよね。
過去完了形は大昔、なんだか可愛い答えですね。 なんだかほっこり。
思い出といえば、娘が幼稚園に通う前に日本のプリスクールに数か月通っていた事があったのですが、お迎えに行った帰りに 私が英語の単語を言って、娘が日本語の単語を答えるというゲームを車のなかでしていて、「Dirtyは?」と聞くと「ゲッ、きたない!」と答えて大爆笑したのを思い出しました。 そういうあどけなさって大人になると無くなっちゃうんですよね。
1


