2025年 10月 08日
シンフォニーの夜 |
あつみさんのご主人は、コロラドスプリングスフィルハーモニックのフルートの奏者だ。
30年のヴェテランでおられる。
シーズン開幕の夜、コンサートに招いていただいた。
開演前に劇場の近くで食事をした。
コロラドスプリングスのダウンタウンに来たことはあるのに、初めて来たみたいに華やかに見えたのはどうしてか。
田舎暮らしのせいか。
上をみながら、いいなあ、すてきねえ、ニューヨークみたいだ、と連呼するわたしをみんな嗤った。
まるでこんなところも知らない田舎者みたいに思われているみたいだったから(確かに田舎者だけど)は、ラビット・ホール(ダウンタウンにある地下に下りていく”不思議の国のアリス”っぽいレストラン)には二度も来たよ、と自慢したら、あそこは死体置き場だったって知ってた?と返されて、揶揄われているんじゃないかと、帰宅して検索したら事実だった。
1900年代、死の死体置き場だった。
そんなところをレストランにした神経を疑う!
初めて行ったのは夫の誕生日で、二度目はブロードモアホテルに仕事で来ていた義弟を伴ったのであった。
駐車場とその隣のビルにハンプティダンプティの卵男がいくつも乗っかっていて、おもしろがって写真を撮ろうとしたのは、おのぼりのわたしだけで、コンサートが終わって暗くなってもまだ撮ろうとするわたしに、あつみさんが、じゃあわたしが昼間に撮りにきてあげる、と言っていたら、二日後にテキストでほんとに送信してくれた。
コンサートはチャイコフスキー。
フランスからやってきた若い指揮者はバレエダンサーみたいに引き締まった女性で、跳ねるように指揮していた。
演奏も素晴らしかったけど、指揮者が躍ってるみたいで、それもまた愉しかった。
あつみさんに、指揮者って、いつもあんなふうに踊りながら指揮してるもんなの、と訊いてまた嗤われた。
よかったねえ、ねえ、二幕目のは日本語で”新世界”というのじゃない?と、とんちんかんなことを言って、ああ、そんなのって、パチンコ屋の名前みたいよね、と自己完結したら、まあねえ、そう言われればねえ、とまたさらに嗤われた。
翌朝になって、ドヴォルザークの”新世界より”が頭に蘇ってきて、やっぱりわたしは間違っていた。
by ymomen
| 2025-10-08 23:39
| アメリカの季節 秋
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Comments(2)
momenさん、こんにちは、
ユニークなハンプティーダンプティがあちこちに。。。見てるだけで楽しいですね。
改装されているとはいえ 元死体置き場がレストランとはまた驚き!
私もダウンタウンに足を向けるのは一年のうちでも数えられるほど、他州や他国からお客さまがある時くらいです。
ユニークなハンプティーダンプティがあちこちに。。。見てるだけで楽しいですね。
改装されているとはいえ 元死体置き場がレストランとはまた驚き!
私もダウンタウンに足を向けるのは一年のうちでも数えられるほど、他州や他国からお客さまがある時くらいです。
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ziggyさん
おはようございます。
都市には都市のオブジェがあるもの。
人里離れたところもいいけど、人の集うところもまたそれはそれでいいもの。
夕暮れ時の町は心弾む雰囲気でした。
モルグ。
気味悪く思うのは死んだひとに失礼でしょうけれど。
わたしたちもみないつかはそうなるのですから。
心臓が止まれば、わたしもそうなるのだけれど。
そこに住んでいれば、わざわざダウンタウンまで行くこともないで暮らしていますよね。
おはようございます。
都市には都市のオブジェがあるもの。
人里離れたところもいいけど、人の集うところもまたそれはそれでいいもの。
夕暮れ時の町は心弾む雰囲気でした。
モルグ。
気味悪く思うのは死んだひとに失礼でしょうけれど。
わたしたちもみないつかはそうなるのですから。
心臓が止まれば、わたしもそうなるのだけれど。
そこに住んでいれば、わざわざダウンタウンまで行くこともないで暮らしていますよね。







