2025年 09月 24日
シナモンピゼール・日本人にとっての手土産 |
前回焼いたピゼールを、使いにすっかり差し上げたら、あきらががっかりした。
またすぐに焼いてあげる、と言うと、今度はシナモン風味がいいと希望したから、ヴァニラをシナモンに、グラニュ糖をブラウンシュガーに代えて焼いた。
少し小麦粉を控えてゆるい生地にして、さらに薄く軽いクッキーにした。
熱したピゼール型に生地を落とすと、まずシューッという音がして、アイロンを閉じると威勢よく蒸気があがってシューッの音もいささか大きくなる。
立ち上る香気も素晴らしい。
いまは世界のどこへ行っても土産に焼き菓子の箱詰めを買うようだが、家庭の台所でこんな菓子を焼くそばから食べられるのを知れば、それに勝るものはない。
と書いた傍から、先週ご一緒した方々からいただいた日本土産もまた焼き菓子で、それにもまた感動と言いたいほどのありがたみを頂戴した。
ひとつは、”白い恋人”
帰宅してあきらに開封させたら、包装紙をほどく段階でもうその美しさに、紙を破るのは申し訳ないと、丁寧に時間をかけた。
出てきた化粧箱に感激しては、蓋を開けて再度感激。
ラングドシャに白いチョコレートをのせたクッキーは、一口で食べれるものだが、こんなに繊細に包装されていては、一度にいくつも食べてはいけないものだね、とあきらが溜息をついた。
これだけのことで、あきらに日本のひとかけらがわかってもらえた気がした。
もうひとつは、小さな缶。
お別れの時間間際になって、ある博物館の理事兼副館長をなさっておられるその方が、携えていた布バッグから、ひょいと出してくださった。
忠犬ハチのイラストのその缶に、缶好きのわたしは一目惚れした。
リチャード・ギア主演の、ハリウッド製”忠犬ハチ公”の映画を観ているから、あきらもハチ公について知っている。
これもあきらに開けさせたらば、繊細なゴーフルが入っていた。
こちらではウエイ―ファーと呼ぶ類で、家庭でこれほどに薄くは焼けない。
これもいかにも日本らしい緻密ともいえる作業の末に完成する焼き菓子である。
あまりにも愛らしい缶で、これだけは誰にも譲れない。
みなさんにとってはアメリカ滞在最終日にあたる日、たった一日ご一緒したわたしに会うこともご存知なかっただろうに、これほどの贈り物をご用意くださった優しさに胸が熱くなった。
全く日本人というのは、贈り物、というものの観念が根本的に格別だ。
誰に、どうすれば、贈り物の真意が伝わるかということを大事にしている。
だから、よそで焼き菓子を買って土産にする、ということを軽視していた自分を反省している。
先に焼いたピゼールを袋詰めして使いに出した先は、実のところ、このみなさんである。
バス中で、夜ホテルで寛がれるときに、と人数分のガムのパッケージと、水のペットボトルとともにさしあげた。
”わたしの住むあたりでは、イタリア系の家庭でクリスマスに焼くクッキーです”
この方々とすごす一日が最高のものになりますように、という願いが叶った。
一期一会の想いが叶った。
大谷選手の小さな布袋はもうひとりの教授が水のペットボトルにかぶせておられたもので、あ、いいですね、と褒めたら、くださったものだ。
いかにも強請ったみたいで恐縮したら、もうひとつあるからいいんだよ、とおっしゃった。
保冷機能もあるもので、これもわたしの宝のひとつに加わった。
by ymomen
| 2025-09-24 02:21
| お菓子
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Comments(4)
心温まるとても良いお話をありがとうございます。
日本人ほど人にお土産を贈る習慣のある民族はいないかもしれませんね。そして、それも綺麗に包装して。昔は必ず風呂敷に包んで持っていったものですよね。相手へのリスペクトが根底にあるのだと思います。
もめんさんのビゼールも心がこもっていて、素敵な贈り物ですね。皆さんお喜びになったことでしょう。
合唱の団員は日本へ帰ると皆さん必ずのように皆で分けるように小菓子をお土産に持ってきてくださいます。日本人だな、と思う瞬間です。
日本人ほど人にお土産を贈る習慣のある民族はいないかもしれませんね。そして、それも綺麗に包装して。昔は必ず風呂敷に包んで持っていったものですよね。相手へのリスペクトが根底にあるのだと思います。
もめんさんのビゼールも心がこもっていて、素敵な贈り物ですね。皆さんお喜びになったことでしょう。
合唱の団員は日本へ帰ると皆さん必ずのように皆で分けるように小菓子をお土産に持ってきてくださいます。日本人だな、と思う瞬間です。
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> mchappykun3さん
仰るとうりです。
わたしは、というと、帰国となると荷物が大きくなるのが嫌で、土産を持たない不義理をしています。
それなのに旧友はわたしの喜ぶ本などを選りすぐって持たせてくれるので、申し訳ない限りです。
今回も、ご一緒したのが最終日だったので、どこかで土産を見つくろわないと、と仰る方がおられました。
職場でみなさんにお配りするものを、と気遣っておられていました。
なるほどそういうときに個別に包装しているのがいいのですね。
仰るとうりです。
わたしは、というと、帰国となると荷物が大きくなるのが嫌で、土産を持たない不義理をしています。
それなのに旧友はわたしの喜ぶ本などを選りすぐって持たせてくれるので、申し訳ない限りです。
今回も、ご一緒したのが最終日だったので、どこかで土産を見つくろわないと、と仰る方がおられました。
職場でみなさんにお配りするものを、と気遣っておられていました。
なるほどそういうときに個別に包装しているのがいいのですね。
momenさん、こんにちは!
良い出会いがありましたね。 遠く日本に住んでいる方達で、今度はいつ会えるかもわからないとしてもこういう事ってずっと思い出として残るんですよね~。 momenさんの手作り菓子、きっと喜ばれたと思います。
お土産、手土産って本当に日本人だといつでも頭にあることのような気がします。ただお友達と会うというだけで これを持っていったら喜ぶかも、とか一緒に美味しい物を食べようとか。。。 日本への里帰りの際にもいつも数か月前から何を買って帰るか迷います。
良い出会いがありましたね。 遠く日本に住んでいる方達で、今度はいつ会えるかもわからないとしてもこういう事ってずっと思い出として残るんですよね~。 momenさんの手作り菓子、きっと喜ばれたと思います。
お土産、手土産って本当に日本人だといつでも頭にあることのような気がします。ただお友達と会うというだけで これを持っていったら喜ぶかも、とか一緒に美味しい物を食べようとか。。。 日本への里帰りの際にもいつも数か月前から何を買って帰るか迷います。
Ziggyさん
おはようございます。
この方々は、五年後に開館する予定のスポーツ博物館の準備に携わっておられるので、いつかわたしが伺えば、またお目にかかれそうなのです。
ひととのご縁は不思議なもので、またどこかで、という可能性を秘めているものですね。
Ziggyさんともそんなご縁があるのではないかと思っていますよ。
Ziggyさんは帰国なさるのに、コースターなど縫っておられましたね。あらかじめそんな作業を進める計画性がすばらしいです。
おはようございます。
この方々は、五年後に開館する予定のスポーツ博物館の準備に携わっておられるので、いつかわたしが伺えば、またお目にかかれそうなのです。
ひととのご縁は不思議なもので、またどこかで、という可能性を秘めているものですね。
Ziggyさんともそんなご縁があるのではないかと思っていますよ。
Ziggyさんは帰国なさるのに、コースターなど縫っておられましたね。あらかじめそんな作業を進める計画性がすばらしいです。




