2025年 05月 24日
3年目の検診 |
秋ごろから、喘息がひどく、これもまた季節性のものでやがておさまると心配しないでいたら、いままでそれが続いている。
フロリダとニューヨークに出かけたときには喘息がおさまっていたから、ここに特有の花粉のせいか、愛犬のせいか。
ココアとミルキーはもうわたしと13年同居しているから、いまさら喘息の原因になるかしら。
医者に行くのが嫌で、義母が譲ってくれる吸入器を使っているが発作の頻度が激しくなり、吸入器が効かなくなってきた。
先日心臓の診断時、喘息の専門医に行くのを勧められた。
主治医のC先生に診てもらったのは3年前。
彼女のことは大好きなのだけれど、行けば血液、マモグラフィーなどの検査がつきもので、そういうことが鬱陶しいのと、うちは自営業で健康保険があるときとないときがあって、どんな請求書がくるのかというのも心臓に悪い。
毎月の掛け金が高額だから、保険なしでそのたびに支払うほうが安いけれど、夫はMS、わたしは心臓発作を起こした過去があるし、60歳を越したことだし、やっぱり保険が要るか、ということになった。
保険のなかったころは、カナダからインヘーラー(吸入薬)を買っていた。
ここの薬局で買う値段の3分の1ほどだったが、手間がかかった。
この1月から新しい健康保険を購入したことだし、吸入器を義母に頼り続けるのもどうかと思うし、もしやわたしの肺や気管がどうしてこんなになるまで放っておいたの、手遅れですよ、という事態になっているやもしれないという恐れもあった。
そこまで不安になると、なおさらおそろしくて検診にいくのを逃れていた。
専門医に行くにもまず主治医が案内状を手配するのが常なのだ。
もう降参するしかない、と予約の電話をしたら、受付嬢が、あなた、あと数週間待ってたら、C先生はあなたは患者のリストから外されていましたよ、と仰る。
3年間音沙汰がないと、そうなるということらしい。
加えて、あなたはほんとに運がいい、きょうの午後、キャンセルが出たから来ますか、というので、もちろん行った。
C先生は、くっ、くっ、くっ、と含み笑いをしながら診察室に入ってきて、あなた、どこに隠れてたの、と挨拶をした。
逃亡者が両手を挙げたみたいな気分になった。
とうとう見つかって返す言葉もなく”I missed you!”と言ったら、そうでしょうよ、と嗤われた。
人懐こいひとで、みあとあきらもこの先生にお世話になっている。
知人の何人かも患者にいて、彼女らからわたしが生きていることは知っていた。
ある知人と昼食をともにしたとき、探偵ものの本を紹介されて、あ、知ってる、おもしろいね、と応えたら、主治医の先生から勧められたというので、誰かと訊いたら、C先生だった。
ジムで親しくなったスーもC先生の患者だということをついこないだ知った。
専門医に行かずとも、彼女の診断と治療でよくなりそうだという結論で安心。
いまはなにかというと症状によってあちこちの専門医に行くように指示されるのがいやだ。
ひとりの先生でなにもかも治療していただけるとありがたい。
だけどやっぱりこの3年間さぼっていたさまざまな検査をするように勧められて、おとなしく聞く。
数年前のマモグラフィーでどうもおかしいという診断で、それから数か月に渡っていくつかの検査を受けて癌ではないと診断されたが、そのあいだの心配と同時に数千ドルの請求書が遺されて安心できたのか怒りたいのかわからなかったことがある。
そういう経過も知っている彼女は、わたしの役目はあなたに選択肢があるという情報を与えることだからね、と無理強いはしない。
”あなたとわたしはまた一からやりなおしよ、”
と心ときめくようなつきあいが始まるようなことを言われた。
もうちょっとでわたしのこと、放りだせるところだったのに、と言ったら、
わたしはそんなことしないわよ、あなたがわたしを首にしないかぎり、わたしはあなたとずっと一緒よ
なんて、泣かせる。
ほんとはもう退職したいの
と言うのに、辞められたら困る、辞めないで、と3年無沙汰したわたしがすがるのも勝手なことだけど、彼女は多くのひとに慕われているから、きっとみんなそう思っている。
わたしの心臓発作は、映画にあるような、突然胸を押さえて倒れる、というのではなかった。
遍頭痛なのか、喘息の発作が止まらないのかわからず、腕が肩から痛く、下顎に痛みがあって、虫歯でもないのにどこか神経がやられているのかなあ、夜もどういう姿勢をとっても心地悪い、というなにがなんだかわからないのが数日続いて、C先生のところに行ったら、気のせいでなんでもないかもしれないけど一応血液検査しましょう、ということになって、その結果心臓発作を起こしたら血液になんとかいうエンザイムが出て、その数値がかなり高いというのでびっくりしたC先生は朝の7時に電話してきた。
そのときゲイルのサロンで髪を染めてもらっていて、病院の救急棟にいますぐわたしが行くって連絡してあるから、っていうけど、髪が終わらないと行けないと言ったことをC先生はいつまでも覚えていて、今回もそのことを嗤った。
by ymomen
| 2025-05-24 04:04
| 健康と美容
|
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Comments(4)
C先生の診断、治療で良くなりそうで良かったですね。
自営業での保険負担は辛いとオバマケアが始まるまで、
保険加入無しで過ごしましたね。娘は、政府が医療費負担をしてくれたのと、若くて健康であったからそれが出来たのですが、医療保険無しの不安感には、心から同感します。米国での保険負担は大きいなと思っていましたが、ここ日本でも後期高齢者医療制度を加えると、会社負担もあるし、ほぼ同じと判明しました。
喘息、治療で早く楽になります様に!
自営業での保険負担は辛いとオバマケアが始まるまで、
保険加入無しで過ごしましたね。娘は、政府が医療費負担をしてくれたのと、若くて健康であったからそれが出来たのですが、医療保険無しの不安感には、心から同感します。米国での保険負担は大きいなと思っていましたが、ここ日本でも後期高齢者医療制度を加えると、会社負担もあるし、ほぼ同じと判明しました。
喘息、治療で早く楽になります様に!
1
りかさん
ありがとうございます。
日本では医療制度が国民にとって安堵できるものと思っていました。
ものによるそうですが、ここでは処方箋は他国に比べてかなり高額でそれが改められる動きはあるそうです。
それぞれがもっと意識的に健康を心掛け、医療機関を乱用することがなければ健康保険のありかたも違うのではないかと思います。
ありがとうございます。
日本では医療制度が国民にとって安堵できるものと思っていました。
ものによるそうですが、ここでは処方箋は他国に比べてかなり高額でそれが改められる動きはあるそうです。
それぞれがもっと意識的に健康を心掛け、医療機関を乱用することがなければ健康保険のありかたも違うのではないかと思います。
momenさん、こんにちは!
アメリカの医療費は恐ろしいほど高いですね。だから必然的に保険料金もバカ高くなる。。。夫婦二人で月に千ドル余りお給料から引かれるのは本当に辟易しています。 メディカルも歯科もドクターのオフィスからどれだけ保険会社に請求が行っているかを見るとシステムの恐ろしささえ感じます。救急車でさえ請求がきますものね。 日本では無料だからと通院するのに救急車を呼ぶ人もいると聞いて それはそれでどうかと思うんですけど。。。
カナダに住む妹は 医療費は国負担でもそのかわり必要な時になかなか予約が取れないんだとか。。。アメリカの方が収入がはるかに高いからと、カナダの医療従事者がアメリカに移住するケースが多くて不足しているという傾向もあるようです。
アメリカの医療費は恐ろしいほど高いですね。だから必然的に保険料金もバカ高くなる。。。夫婦二人で月に千ドル余りお給料から引かれるのは本当に辟易しています。 メディカルも歯科もドクターのオフィスからどれだけ保険会社に請求が行っているかを見るとシステムの恐ろしささえ感じます。救急車でさえ請求がきますものね。 日本では無料だからと通院するのに救急車を呼ぶ人もいると聞いて それはそれでどうかと思うんですけど。。。
カナダに住む妹は 医療費は国負担でもそのかわり必要な時になかなか予約が取れないんだとか。。。アメリカの方が収入がはるかに高いからと、カナダの医療従事者がアメリカに移住するケースが多くて不足しているという傾向もあるようです。
ziggyさん
貧困ならば、違法移民ならば、国が医療費を負担するという現実を観ながら、堅実に働いているひとが医療費の支払いに困っているのは納得がいきません。
保険加入していても負担してくれないことも多いし。
カナダにはそんな事情もあるのですね。
ゆりかごから墓場まで、といわれるほどの医療の体制がしっかりしている国ではほかの自由が限られているし、どちらがいいのかはわかりませんけれど。
貧困ならば、違法移民ならば、国が医療費を負担するという現実を観ながら、堅実に働いているひとが医療費の支払いに困っているのは納得がいきません。
保険加入していても負担してくれないことも多いし。
カナダにはそんな事情もあるのですね。
ゆりかごから墓場まで、といわれるほどの医療の体制がしっかりしている国ではほかの自由が限られているし、どちらがいいのかはわかりませんけれど。


