2025年 03月 25日
卒業と中退 |
春休みにあきらが帰ってきた。
先週土曜日から授業はなかったのだから、すぐに帰ってくれば、わたしたちはフロリダにいたけれどココとミルキーの面倒を見れたのに、月曜日の夜まで帰ってこなかった。
わたしたちが家に帰り着いてもいないから、電話をしたら応答しないで、しばらくしたらテキストで、夜10時半には着く、と知らせてきた。
わたしはいらいらして、”無理に帰ってこなくていい”とテキストして、旅の疲れもあってベッドに入った。
本音は、怒っていたからあきらにどんな顔をして対面すればいいのかわからなかったから。
怒っていた理由はほかにもあった。
今回はちやほやしないで、きりっとした母親でいるつもりだった。
だけどクレジットがひとつふたつ足りないとかで、卒業後、夏のクラスを摂らなきゃいけない。
職は未定。
あきらと同時に卒業する近所の子息のなかには昨年からめぼしい企業でインターンシップをして、内定している者もいる。
あきらのいとこのジャクリーンもそうで、就職先はアメリカン・エクスプレス。
そういうあきらを見ているのが不安なのだ。
卒業後は、自活できなければ、経済的援助はもうしない。
ここに帰ってくるなら同居はいいが、家のルールで家賃と食費以外は自分で稼ぐこと。
みあは学費全額免除のスカラーシップを得て地元の大学に入った。
だが、パンデミック中に仕事を始めて大学中退。
オンラインでの授業に退屈していて、初めはアルバイトで始めた仕事がある番組契約と縁があり、本採用となってそっちのほうがおもしろくなったのだった。
卒業してほしかったけれど、いまあきらに対して抱える不安はなかった。
夫も大学進学することなく自営業でやってきたひとだし、わたしも大学を卒業したけれど、数年外で仕事をした以外は専業主婦だから、大学は万人に必要なものではないという観念がある。
パンデミック以降、アメリカにおいて、大学教育への信頼が揺らいでいるのも事実である。
大学を卒業する子に対しての不安が、中退した子に対するものよりも大きいというのも妙だ。
これからどうしたいのかということに本人がある程度の考えを持っているということだろう。
あきらが乗っている小舟には、オールがありはしても、ただそこに浮かんでいるだけのような気がする。
どこを目指して漕いでいくのか。
ここでは、日本のように大学卒業を控えてスーツを買って、就職活動をするという習慣がない。
キャンパスでいくつもの企業が勧誘訪問するというような催しはあるそうだ。
いま摂っているクレジットばかりが心配事で、卒業に向けて、その先に向けて何の準備もしていない様子のあきらを見ているのが不安なのだ。
わたしは不安になると、あきらに歯がゆくなると、どうしていいかわからなくて、態度が冷たくなる、
というのは、実は自分では意識していなかったことで、今回みあに指摘された。
わたしがそういうとき、こどもとしてはもっと不安になるものなんだよ、と言われて、はっ、とした。
甘やかしていたのかと、ちょっとこわい母親のつもりでいたのだけど、自分が戸惑っていただけだった。
昨夜あきらが大学に戻って、やっぱり今回も切ない寂しさが残った。
玄関先に残されたあきらのバーケンストック。
靴に履き替えるとき、忘れないように、と言ったのに忘れていった。
階下に降りて、再びからっぽになったあきらの部屋を見たくない。
きょうはまだ、見たくない。
土曜日になって、そういえば、1か月くらいまえに突然、わたしはサワーブレッドを焼くかとテキストしてきたのは何だったの、と尋ねたら、僕のいちばん好きなパンだからというので、翌日はいなくなるあきらのために夕方近くになってわざわざ買いに走ったりもして、やっぱり甘い母親であった。
by ymomen
| 2025-03-25 01:03
| 家族
|
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Comments(8)
momenさん、こんにちは!
なんだかわかる気がします。 うちも上が娘で息子は二番目で年下なんですが、似たようなものです。
今では家庭を持って父親となり、心配をすることもほとんどなくなりましたけど 特に学生時代はもっと自分から何をやりたいとか フォーカスできる志をもってほしいなあ、なんて思っていました。 同じように育てても 性格も全然違うのはおもしろいなあと思います。実際に私も兄や妹と全然違いますしね。 娘は夫似、息子の性格は私似のようです。
なんだかわかる気がします。 うちも上が娘で息子は二番目で年下なんですが、似たようなものです。
今では家庭を持って父親となり、心配をすることもほとんどなくなりましたけど 特に学生時代はもっと自分から何をやりたいとか フォーカスできる志をもってほしいなあ、なんて思っていました。 同じように育てても 性格も全然違うのはおもしろいなあと思います。実際に私も兄や妹と全然違いますしね。 娘は夫似、息子の性格は私似のようです。
1
親は気を揉みますよねぇ。子供のことに関しては。自分のことなら自分が努力すればいいことですが、子供はこうなって欲しいという希望があっても、別人格ですから。
うちはもめんさんのところとは逆で、兄妹です。
二人とも2年余計に大学に行き(マスターでなく留年)、妹の方は行き先も決まらないまま中退しました。当時は本当に胃袋をつかみ取られるような気分でしたが、今は「必要な時間だった」と思えるようになりました。
日本はみんな卒業したら一律に就職、という感じなので親としてはそこから外れることを非常に恐れました。でも、人それぞれ成長の速度も違いますし、今は二人とも仕事をしながら愉しく生きているので結果オーライって感じです。大事なのは、考える時間だったのだな、と。当時はサボっているようにしか感じられませんでしたが(笑)。
家は港ですので、嵐の時には心身ともに休める場所でありたいと改めて思います。
もめんさんは、そんなお母さんのような気がしています。
うちはもめんさんのところとは逆で、兄妹です。
二人とも2年余計に大学に行き(マスターでなく留年)、妹の方は行き先も決まらないまま中退しました。当時は本当に胃袋をつかみ取られるような気分でしたが、今は「必要な時間だった」と思えるようになりました。
日本はみんな卒業したら一律に就職、という感じなので親としてはそこから外れることを非常に恐れました。でも、人それぞれ成長の速度も違いますし、今は二人とも仕事をしながら愉しく生きているので結果オーライって感じです。大事なのは、考える時間だったのだな、と。当時はサボっているようにしか感じられませんでしたが(笑)。
家は港ですので、嵐の時には心身ともに休める場所でありたいと改めて思います。
もめんさんは、そんなお母さんのような気がしています。
Ziggyさん
おはようございます。
ふたり同じように育てた、とずっと思っていたけれど、居間になると違っていたのじゃないかと考えるようになりました。
一人目は緊張していたのか、張り切っていたのか、わたしはより”頑張っていた”みたい。あきらが生まれて、リラックスしていたようです。
あきらもZiggyさんの息子さんのように、いずれは自立してくれますよね。
わたしだってあきらの年頃は、もっとぼーっとしてたんですから、あきらを見ているのはもっと悪い自分を見ているようでなおさら腹が立つ、という勝手なことなのかも。
おはようございます。
ふたり同じように育てた、とずっと思っていたけれど、居間になると違っていたのじゃないかと考えるようになりました。
一人目は緊張していたのか、張り切っていたのか、わたしはより”頑張っていた”みたい。あきらが生まれて、リラックスしていたようです。
あきらもZiggyさんの息子さんのように、いずれは自立してくれますよね。
わたしだってあきらの年頃は、もっとぼーっとしてたんですから、あきらを見ているのはもっと悪い自分を見ているようでなおさら腹が立つ、という勝手なことなのかも。
ななみんさん、
お宅のご子息、そうだったのでしたか。
お話聞かせてくださって、ほわっとちょっとらくになりました。
なんとかなりますね。
別に大企業に入社してほしいとかいうのではなく、どういう仕事をしたいから、こういうところに打診しているとか、まだそういう方針もないならば、とりあえずこんなことをしてみたい、くらいの”動き”を見たいのですけど。
家は港、
そういうところでありたいです。
そういう母でありたいです。
数年たったら、ななみんさんのようにいまを思い返してあれはあれでよかったのだ、と思えるでしょうか。
お宅のご子息、そうだったのでしたか。
お話聞かせてくださって、ほわっとちょっとらくになりました。
なんとかなりますね。
別に大企業に入社してほしいとかいうのではなく、どういう仕事をしたいから、こういうところに打診しているとか、まだそういう方針もないならば、とりあえずこんなことをしてみたい、くらいの”動き”を見たいのですけど。
家は港、
そういうところでありたいです。
そういう母でありたいです。
数年たったら、ななみんさんのようにいまを思い返してあれはあれでよかったのだ、と思えるでしょうか。
わかりますよ、その気持ち。
でも、こればっかしは親がやきもきしてもどうしようもないのです。そのうちに何かをみつけます。
でも、こればっかしは親がやきもきしてもどうしようもないのです。そのうちに何かをみつけます。
もめんさん
私も苦しかったですよ、娘は院に進学せず、大学卒業しても就職決まらず。。。丁度トランプ大統領第一期目で、娘の志望先、社会福祉関係が、縮小された時期と重なりました。8ヶ月間、居候状態で居た娘。
決して「どうするのか?」という様な会話はしないと決めていました。追い詰めたくなかったからです。
希望の就職先は、インタビューを受けても、院を出ていないのと、トランプ政権故で、彼女の責任では無かった。
それでも、大学時代のアルバイト先から声をかけられ、
アルバイトから正社員へ。
同じ職種で転職して、今はマネージャー職です。
母親として、言いたい事を我慢する時ってあるものです。
いつか、我慢して良かった〜としみじみ思う時が来ます。
私も苦しかったですよ、娘は院に進学せず、大学卒業しても就職決まらず。。。丁度トランプ大統領第一期目で、娘の志望先、社会福祉関係が、縮小された時期と重なりました。8ヶ月間、居候状態で居た娘。
決して「どうするのか?」という様な会話はしないと決めていました。追い詰めたくなかったからです。
希望の就職先は、インタビューを受けても、院を出ていないのと、トランプ政権故で、彼女の責任では無かった。
それでも、大学時代のアルバイト先から声をかけられ、
アルバイトから正社員へ。
同じ職種で転職して、今はマネージャー職です。
母親として、言いたい事を我慢する時ってあるものです。
いつか、我慢して良かった〜としみじみ思う時が来ます。
りかさん
りかさんにもそんな時があったのですね。
こどもは幼ければそれなりの心配があって、成長するにつれて心配の種は変わるけれど尽きない、というのはほんとうですね。
お嬢さんに扉が開いて幸いでした。
なにもかも穏便に躓かないで歩いて行けはしませんね。
転んでも起き上がれればいい。
言いたいことを我慢するのは難しい。
ある時期から、夫に言いたいことを我慢していると、みあが先回りして言っていることもあります。
りかさんにもそんな時があったのですね。
こどもは幼ければそれなりの心配があって、成長するにつれて心配の種は変わるけれど尽きない、というのはほんとうですね。
お嬢さんに扉が開いて幸いでした。
なにもかも穏便に躓かないで歩いて行けはしませんね。
転んでも起き上がれればいい。
言いたいことを我慢するのは難しい。
ある時期から、夫に言いたいことを我慢していると、みあが先回りして言っていることもあります。


