2024年 08月 31日
フットボールシーズン 2024 |
先週末、ブライアンはアイルランドまで飛んで大学のフットボール試合を観戦した。
アメリカンフットボールの観戦目的がアイルランドとはおかしいけれど。
母校のフロリダ州立大学とGeorgia Institute of Technology(ジョージア工科大学と訳すのだろうか)の今季初試合がダブリンであり、わたしたちはテレビ中継で観たが、大変な盛り上がりようであった。
この試合予定が発表されたとたん、双大学にゆかりのあるひとや卒業生はアイルランド行きを楽しみにしていた。
アメリカの国技ともいえる試合をわざわざアイルランドまで持っていくのかと思うけれど、プロのフットボールの試合を日本やヨーロッパで興行したこともある。
たった一晩のフットボール観戦に、はるか外国までも出かけていけば、航空運賃もかかれば、大抵数泊の宿泊費も食費もかかるから、そうして経済も動くことになる。
昨夜はボルダーのUniversity of Colorado(コロラド大学)の初試合があった。
昨年からディオン・サンダーがコーチに就任してから、観客に有名人も現れるようになり、シーズンチケットは売り切れだそうだ。
CUのフットボールチームは好成績で知られていないから、もとフットボールの花形選手がやってきたのは大きい。
今週末はあきらの通うCSU(Colorado State University/Fort Collins)の初試合。
相撲で実績のある日本人の花田選手が注目されている。
彼のジャージーの背中には、日本語で花田とプリントされているのが微笑ましい。
フットボールにおいては全国レベルでランクの高い大学ではなく、負けばかりの成績がこの数年はいくらか勝つようになってきた。
プロ試合も見逃さないが、夫は大学試合をより好む。
プロになった選手には契約金などの裏話やスキャンダルが表ざたになるし、奢りの伴う性格も広いフットボールにもにじみ出るもので、フットボールというスポーツの神聖さをいささか失う要素があるようなのだ。
義父の仕事で数年おきに移転しながら成人した夫には、贔屓のチームはない。
いくつか応援しているところはある。
このチームはどうしても好きになれない、というのはある。
コロラドに住んで永いが、ブロンコスの熱狂的ファンというのでもない。
今から、スーパーボールの2月初めまでは、フットボールの季節だ。
わたしはこのスポーツを嫌ってはいないけれど、一緒に座り込んで身を乗り出して観戦するほどではない。
テレビの向こうで無数の観客の騒めきや、顔や体までをチームを応援するためにペイントしたおどけたファンや、大学のブラスバンドの演奏や、秋の陽がフィールド上に描き出す独特の影などを眺めるのは和む。
晩夏から冬にかけて、これらがなくてアメリカではありえないとさえ思う。
わたしはスポーツにそれほどの興味なく育ち、人生のほとんどをスポーツとは縁なく暮らしてきたが、観戦の楽しみがやっとわかるようになった。
ふだん誰しもが抱えている悲しみや胸のつかえから、観戦しているあいだは解放されることもある。
同じチームを応援するファンはもうそれだけで同志である。
ひとがときどきできる限りの大声で叫ぶのは、憂さを晴らす効果があると言う。
心に溜まる淀みをそうやって浄化するのはいいではないか。
喉がかれるまで愛するチームを応援するのは、セラピーともいえないか。
コロナ禍で全てのスポーツに参加することも、観戦することもできなかったのは、ひとの体と精神に大きく影響したに違いない。
体育のクラスがいちばん苦手だったわたしでさえ、ジムが閉鎖されたのはこたえた。
昨年双子の兄を失くしたブライアンは、ブラッドを想う日々を過ごしているが、彼もまたスポーツファンだったから、観戦の場にいればブラッドも隣にいて笑っていると慰められているのだ。
by ymomen
| 2024-08-31 03:43
| アメリカの季節
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