2024年 08月 10日
苦いはおいしい |
David Lebovitz氏のポドキャストに、”The Bitter Side of France"というエピソードがあった。
彼はアメリカでペストリーシェフとしてキャリアを積み、パリ、フランスに移住し、随筆やレシピ本を出版している。
その回のゲストは、Jennifer McLaganという料理本の著者であった。
彼女の著書は、”Fat” ”Bone” ”Bitter” ”Odd Bits” ”Blood"という、異色なタイトルで、それらがまさにそれぞれのテーマである。
このエピソードでは、フランスで味わう苦い味、というようなことであった。
料理や食べ物に関するチャンネルもあるほどに、食べ物の話題に溢れ、”旨味”が”Umami"として、こっち側のひとたちに理解されようとしているけれど、”苦み”についての会話を聴いたことがなかったと思う。
こっち、と言って、日本以外の食文化をひとからげにするのは横暴で、わたしが知る限りの地域、ということである。
一般的には、苦い味というのは疎まれる。
だが、苦みを含む食べ物は多い。
赤ワイン
ビール
蒸留酒
ダークチョコレート
リコリス
モラセス
エンダイヴ、キャベツなどの葉野菜
大根などの根菜
春の山菜
ピーマン
ハーブの類
スパイスの類
コーヒー
茶
木の実
キャラメル
海塩に含まれるにがり
焼き魚のはらわたの苦み
米飯のお焦げ
柑橘類の皮
ちょっと焦げた焼き菓子のはじっこ
英語において、苦いは”Bitter”で、渋いも同じ言葉で表現される。
日本人は、そういう類の味覚に敏感な民族ではないだろうか。
苦い味覚だけを求めるひとはいないが、ほかの要素に苦みが加わると、それをさらにおいしくすることがある。
味の層を複雑にする。
木の実を覆う皮や殻にはタンニンが含まれていて、果肉を酸化から守る作用があるそうだ。
うちで採れるプラムやコンコルドグレープの皮の渋みもそうなのだ。
そうやって果肉の鮮度を保っている。
食後にアニスの種をひとつまみ口に含んで噛み下すという中東やインドの習慣は、口腔をさっぱりさせるのと同時に、消化をも助けるらしい。
コーヒーや緑茶を食後に一杯、というのも同じことで、苦いものにはそういう効用があるのだ。
暑い季節には、ほの苦いマテ茶にレモンと氷を浮かべて飲むのが清々しい。
苦いものは総じて解毒作用があるとも聞く。
苦いものには毒が含まれるのもある。
そうでなくても、食べすぎるのはよくないのは、何に対しても言えること。
食後に甘いものを食べたくなる誘惑に、苦いものを一口食べて満足するというふうになれるといいと思う。
母が生前にこしらえてくれた山椒の実の佃煮を大事に冷凍保存している。
ほんの数粒食後に口に含んで母を忍ぶ。
収穫してまだ青いのに粗塩を合わせたのを味わったことがあった。
あの滋味もまた感動的であった。
by ymomen
| 2024-08-10 00:40
| 食
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Comments(2)
イイネが見えないので(自分のブログも、ひとさまのブログも)イイネが押せなくて、頗る残念です。
イイネを100回くらい押したい気分です。
山椒の佃煮も、イイネです。お皿も可愛いです。
イイネを100回くらい押したい気分です。
山椒の佃煮も、イイネです。お皿も可愛いです。
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kadakuraさん
ブログを始めたころは、イイネ、なんてなくて、しばらく休止していて戻ってきたら、そういう機能がついていました。
よそで拝読して、クリックしたのか覚えてないことがあって、戻ることもあります。
100回押したいなんて、嬉しいなあ。
この小さな皿、こっちで日本から輸入されたのを買ったのでした。どっちも小さいけど、ちょっと大きさが違ってふたつあります。
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この小さな皿、こっちで日本から輸入されたのを買ったのでした。どっちも小さいけど、ちょっと大きさが違ってふたつあります。



