2024年 06月 23日
あんなこともあった |
ともだちが仕事の誘いを受けたのが、わたしがかつて勤めたひとだと知った。
服の直しをするLさんのところでしばらく働いたけれど、苦い思いで辞めて2年以上経つのか。
それからも彼女から、そして共通の知人を通して何度かまた働かないかという誘いがあったが応えないでいた。
彼女からの伝言にもテキストにも返事をしなかったのは、もう彼女には一切関わりたくないと決めていたから。
彼女とわたしの間にあったことを彼女が覚えていないはずはない。
それなのにいまだにわたしにアプローチするのがわからない。
あの経験をいまここに書いて、完結したい。
Lさんが服の直しの助けになるひとを探している話は聞いていた。
素人のわたしには及ばないだろうと、聞き過ごしていたけれど、Lさんがどうしても面接したいというので会った。
懇意にしている知人を通してきた話だったから、無下にできなかったということもある。
話をしてみれば、わたしの技量でできそうなこともあったし、少しづつできることを習得してくれればいい、ということだったので、週に2-3日、3-4時間来てくれないか、という話になった。
わたしにしてみれば仕事という場から遠ざかって永かったし、仕事を覚えるのが先決だから、最初のひと月は無償でいいと申し出た。
知らなかったことを覚えるのは愉しかったし、懸命に習った。
そのうちに出勤日が増え、勤務時間も延長し、そうなる前にわたしもはっきりとできないと言えばよかったのだが、時間が許せば働いていたのが悪かった。
義父が倒れてから病院へ通ったりするようになり、それまでの勤務時間が確保できなくなるとLさんの機嫌があからさまに悪くなり、いたたまれなくなって辞表を出した。
自分の親でなく義理の親にそこまでするのはおかしいと意見されて、離れて住む親にできないことをせめてここにいる義理の親にしたいという気持ちは伝わらなかった。
辞表提示と同時に辞めるのは礼儀に反するから、それから2週間勤務したが、その間の彼女の怒りも露わであった。
仕事を始めたころは問題がなかったけれど、日が経つにつれて彼女の態度が変わった。
一度教えられたことを忠実にやっていれば、そんなことは教えたことがないといって仕事を一からやり直させられたり、預かっているドレスに染みがついているのを客の前でわたしの過失にしたり、納品締め切りを知っていながら半日電話でお喋りしておいて仕事がはかどらないといらいらしてわたしにあたった。
彼女は精神的にハンディキャップを持つひとを二人アシスタントにしていたが、彼らへの対応も自分が親なら庇わずにはいられないような対応もあった。実際そのうちのひとりの母親を知っていたから、警告した。
教会で説教までするらしいのに、あまりにも道徳に欠けたところがあって、彼女のもとで働いていればわたしもまたそういう価値観を持った人格だと思われるのもいやだった。
やっと勤めを終えて安心したら、2か月経っても最後の2週間の支払いがなく、問い合わせたら、とっくに小切手を送ったというけれど、それから2週間待っても届かない。
再度連絡したら、こんどは口座がハックされたから凍結されてお金を動かせないというあからさまな言い訳をした。
彼女から逃れただけで幸いだったのだと過ごそうとしたけれど、夫が“定めた期日までに支払いがなければ、法的な手段をとらざわるに得ない、”という事務的なテキストをわたしに代わって送信したら、即、送金してきた。
それで良かったのだけれど、みくびられてもいたわけで、こちらは理性的に収めたい態度でいるのに情けなかった。
振り返れば、倒れてわたしの助けを求めた義父は、わたしをLさんから助けてくれたのかもしれないと思う。
彼女から習った技術的なことはある。
専業主婦であることが日常のわたしには、勤務先で厳しいことにもまれる強さにもかけていたのだろう。
痛みの伴う勉強であった。
ただ不快なことだったと片付けるのは悔しいので、これも肯定的なことに昇華させるのだ。
彼女がいまだにわたしを取り戻したい理由を知っている。
彼女について働いた間、わたしは自分のできる限りの誠実さと勤勉さで精一杯働きこなしたと宣言できるから。
縫製技術についてはわたしより勝る人がいようとも、わたしほどの人材は彼女には見つからない。
わたしのあとに満足するひとが見つからないのは当然だ。
by ymomen
| 2024-06-23 03:36
| アメリカの季節
|
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Comments(4)
momenさん、こんにちは!
人というのは 言った方は忘れる事ができても言われた方はずっと忘れずに引きずることが多いですよね。でも人にしたこと(行動)まで忘れるのでしょうか? それともLさんはそれほど神経が図太いのでしょうか。 でもこの記事を読む限り 彼女には真心や誠実さが欠けているように感じますね。
実は私も前の職場の上司とは5年間近く一緒に仕事をしてきて 私にとって尊敬できる仕事ぶりではなく やりたい放題の彼女の言動に不満も多くありました。 私も価値観の違いすぎる人とは距離を取りたいのでバッサリと交友を切るのだけど 彼女とは一旦辞めて 上司と部下という彼女との関係を離れると 不思議なもので彼女の情深いところなどが見えてきて 今では月一くらいで会っては食事をするのが楽しい友人関係になっています。
人というのは 言った方は忘れる事ができても言われた方はずっと忘れずに引きずることが多いですよね。でも人にしたこと(行動)まで忘れるのでしょうか? それともLさんはそれほど神経が図太いのでしょうか。 でもこの記事を読む限り 彼女には真心や誠実さが欠けているように感じますね。
実は私も前の職場の上司とは5年間近く一緒に仕事をしてきて 私にとって尊敬できる仕事ぶりではなく やりたい放題の彼女の言動に不満も多くありました。 私も価値観の違いすぎる人とは距離を取りたいのでバッサリと交友を切るのだけど 彼女とは一旦辞めて 上司と部下という彼女との関係を離れると 不思議なもので彼女の情深いところなどが見えてきて 今では月一くらいで会っては食事をするのが楽しい友人関係になっています。
1
こんにちは。
それは嫌な思いをしましたね。
Lさんのことは分かりませんが、きつい書き方のメールなどで人を傷つけて気がつかない人がいました。ある人に相談したら、アスペルガーかもしれないと言われ、サイトで調べてみたら、アスペルガーの特徴のほとんど全てに当てはまりました。
その人の言動に納得はしましたが、傷つくことには変わりないので、疎遠にしました。それで、ストレスがなくなりました。
変わった人と言われる多くには発達障害が隠れていることがあることを学びました。本人も分かっていないようです。
それは嫌な思いをしましたね。
Lさんのことは分かりませんが、きつい書き方のメールなどで人を傷つけて気がつかない人がいました。ある人に相談したら、アスペルガーかもしれないと言われ、サイトで調べてみたら、アスペルガーの特徴のほとんど全てに当てはまりました。
その人の言動に納得はしましたが、傷つくことには変わりないので、疎遠にしました。それで、ストレスがなくなりました。
変わった人と言われる多くには発達障害が隠れていることがあることを学びました。本人も分かっていないようです。
ziggyさん
傷つけたひとは傷を受けた人よりも、罪悪感のせいで苦しむ、という言葉を信じていたこともありましたが、そうでもないようです 笑。
友人でいるのと、仕事をともにするのでは関係が変わるのでしょうね。
Lさんは恵まれない生い立ちのあるひとで、優しいばかりではこれまで生きてこれなかったろうとも同情するのですが、自分が苦労したのだから、と周囲にもそういう待遇をするようなところがありました。
傷つけたひとは傷を受けた人よりも、罪悪感のせいで苦しむ、という言葉を信じていたこともありましたが、そうでもないようです 笑。
友人でいるのと、仕事をともにするのでは関係が変わるのでしょうね。
Lさんは恵まれない生い立ちのあるひとで、優しいばかりではこれまで生きてこれなかったろうとも同情するのですが、自分が苦労したのだから、と周囲にもそういう待遇をするようなところがありました。
Mchappyさん
アスペルガー、という言葉も知らなくて検索しました。
こんな障害があるのですね。
Lさんに当てはまるのかどうかわかりません。
わたしたちの感覚である基準のモラルを持っているひとというのは、案外少ないものだと感じます。
こどもたちのクラスメートを見ても、それから外れる環境で育ったこどもたちが多く、うちのこどもたちさえもそれを目の当たりにして驚いていました。
そうした過程で発達障害もありえるでしょうね。
アスペルガー、という言葉も知らなくて検索しました。
こんな障害があるのですね。
Lさんに当てはまるのかどうかわかりません。
わたしたちの感覚である基準のモラルを持っているひとというのは、案外少ないものだと感じます。
こどもたちのクラスメートを見ても、それから外れる環境で育ったこどもたちが多く、うちのこどもたちさえもそれを目の当たりにして驚いていました。
そうした過程で発達障害もありえるでしょうね。


