2023年 09月 28日
快適か、否か |
先週はうんと涼しくなったので、空調設備を停止した。
窓を開けっぱなしにして、風を通している。
夏服を仕舞って、セーターを出したら暑さが戻って、また夏服を引っ張り出した。
毎年この季節にそんなことをくりかえしているのに、懲りない。
季節にふさわしい礼節をたしまないから、衣替えくらいは、と思うけど、それさえもこのありさま。
ここの暮らしで冷暖房が要らないのは何か月のことだろう。
二か月ないのではないか。
なしで、暑い日もあるが、夜になって涼しくなるのを待ってがまんしている。
我慢できないほどの猛暑でないのもあるが、常に快適であってあたりまえという贅沢をいましめたいという思いもある。
老人や病人のいる環境では快適温度を保つ必要性に反しない。
いずれ暖房したい日が来るが、それもできるだけ辛抱してみよう。
こどものころ、暑い暑いとごねれば、夏が暑いのは当たり前、と相手にしてもらえなかったし、扇風機で涼をとるのが当たり前で、冷房機が家庭に導入されたのは、そんなに昔のことではない。
温度からは話がそれるが、ここアメリカで数少ない入院を経験して、妙に感じていたことがある。
病室にこんなチャートがある。
痛みがありませんか、あれば、1から10の間、どのくらいの痛みですか、痛みのない快適なケアを提供します、という趣旨だ。
眠れないほど、食事ができないほど、ただ横たわっていることもできないほど、という耐えきれない痛みを緩和するのはわかる。
治る希望のないひとを、せめて痛みから解放してあげたい、という場合もあるだろう。
でも、そうでない場合、痛みを全く解消し、安楽な状態をベースラインにしているのに疑問がある。
痛いけど我慢できる程度だと報告すれば、痛み止めを点滴剤に混入すると判断されて、要らないと応えた。
そもそも病院にいるのは、患っているからで、痛みは体が発している赤信号であり、それを麻痺させるのは、からだが発熱して病気を戦っているのを投薬でむやみに解熱しているのと同じではないか。
あまりの高熱で、命や脳障害の危険があるというのは別だ。
痛みがなく、安楽状態であるのがあたりまえ、という間違った”非常識”が、ここアメリカで痛み止め薬を乱用する風潮に繋がったのではないか。
医師からの処方箋で正規に購入できるPainkiller(痛み止め、モルヒネ系の強度なものをここでは指す)を必要以上に常用するのは、ヘロイン、メサドン、フェンタノールなどを使うほどに危険である。
出産時にも、無痛分娩のためのエピドゥラルという薬を脊髄に打つ選択肢を与えられたが、難産を想定されない出産の場合にさえ、ただ痛みを回避したいからと、安楽を望むのにも疑問がある。
生きていれば、精神的に寂しいとかつらいことも、肉体的に痛いときも、寒いときも暑いときもあり、常に安楽快適でないのが当たり前ではないか。
それらの状態をまともに解決の努力をしないで、薬物で麻痺させ一時しのぎをする、無闇に快適環境を保とうとするのは、ヒトを弱くさせているだけではないか。
by ymomen
| 2023-09-28 01:01
| アメリカの季節 夏
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