2023年 08月 26日
蜘蛛の糸 |
台所で洗い物をしていたら、裏庭に面する窓に蜘蛛を見つけた。
家のなかで蜘蛛を一匹見つければ、もっとたくさんいるらしい。
見つけるたびに退治する。
近づいてみれば、窓の向こう側。
ここは地上2階だから、退治できない。
家中の窓を洗ってもらったばかりなのに。
いずれ大雨で流されるか、強風で飛ばされるか。
出窓になっているこの数枚は、裏を散歩するひとがあるたびにココとミルキーが吠え立てるから、常に唾液の飛沫で汚れる。
窓を洗浄するフォームを吹きつけて、ペーパータオルで拭き取っていたら、窓の向こう側の蜘蛛が巣にからまったま上下にジャンプした。ゴムばねに操られているように、激しく揺さぶられていた。
わたしに向かって威嚇したのだろうか。
窓拭きを見て、危機を感じたのだろうか。
蜘蛛のその反応がおもしろくて、窓拭きの動作を数度繰り返してみたら、三度まではつきあってくれたが、そのあとはもうなかった。
蜘蛛の糸はよく見えない。
ぐるぐると蜘蛛は一方向に歩いている。
左方向にだんだんその輪は大きくなっていく。
あれ、左方向なんだな、と思ったけど、その夜ベッドに入った後、わたしは蜘蛛の腹から観ていたんだから蜘蛛にとっては右廻りだと気がつく。
写真に撮るのは難しい。
やっと撮れたのをよくよく見ると、レンズが蜘蛛の巣の織をとらえている。
これだけ編むのに何時間かかったろうか。
できればこれを取り払いたい思いがあるけれど、むごい気もする。
窓硝子から3cmほどしか離れていないところに巣を張っても、獲物がたいしてかからないだろうに、と心配していたら、ぶよなのかコバエなのか小さな小さな虫が無数掛かっている。
ヒトが魚を捕えるのに、網を編むのと同じだ。
槍や銃で獲物を追いながら捕える猟に比べれば、おとなしい類の捕獲法と言えないか。
こんな小さな生き物にある頭脳でよくこんな知恵があるものだ、芥子粒ほどの脳なのかしら、と思って検索したら、ひとが持つような脳は蜘蛛にはないけれど、体全体に脳組織がいきわたっているから体そのものが脳組織と言えるという。
ヒトの編むレースを誉めるなら、蜘蛛が自ずから吐き出す糸で編むレースを誉めないのは片手落ちだろう。
蜘蛛の糸を指す場合もまた、シルクという表現をする。
近年、蚕に蜘蛛の遺伝子をかけあわせ、新種の絹を生産する品種ができたそうだ。
蜘蛛糸シルクは元来の絹よりも切れにくいらしい。
蜘蛛を見るだけで悪寒がするというひとがいる。
誰がどの生き物を美しいと決めたのか。
by ymomen
| 2023-08-26 00:10
| アメリカの季節 夏
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Comments(2)
たまに庭で朝露に濡れてキラキラ輝く蜘蛛の巣を見つけます。あまりにも綺麗なので、外だし、そのままにしておきます。
ファーブルは蜘蛛が糸をかける様子を何時間でも見ていたそうですね。それで色々発見したとか。
蜘蛛糸シルク、初めて聞きました。どんな手触りでしょう。考えて実践する人はすごいですね。
ファーブルは蜘蛛が糸をかける様子を何時間でも見ていたそうですね。それで色々発見したとか。
蜘蛛糸シルク、初めて聞きました。どんな手触りでしょう。考えて実践する人はすごいですね。
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Mchappyさん
朝露に濡れていると、蜘蛛の巣の構造がよく観察できますね。
昨日は風が強かったのでどうなったか見たら、思っていたよりももっと大きくなっていて、ところどころ破れていました。
ファーブル昆虫記のファーブルですか!
わたしも蜘蛛の糸のシルク、見てさわってみたいです。
朝露に濡れていると、蜘蛛の巣の構造がよく観察できますね。
昨日は風が強かったのでどうなったか見たら、思っていたよりももっと大きくなっていて、ところどころ破れていました。
ファーブル昆虫記のファーブルですか!
わたしも蜘蛛の糸のシルク、見てさわってみたいです。


