2023年 06月 15日
日本から持ち帰ったもの |
実家を片づけながら、持ち帰るものをよけた。
作業を進めるうちに、それらはどんどん増えて、日々ただ処分を続けて、ものはやがて場所をとるばかりの虚しい存在のように思えて、もうなにも欲しくないというか、ものを所有するということがいやになってしまった。
荷物が増えれば箱詰めにして船便でおくればいいとも思っていたけれど、それも面倒になっていた。
父母が若かったころの、色あせてくるりと沿った写真ばかりは持ち帰った。
見たことのない結婚前の母の写真がたくさんあった。
山登りをしている母。
グランドピアノを弾いている母。
父の若いころの写真は見ているが、母のを見なかったのはどういうわけか。
父も母も美しい。
最高の両親であるが、不仲であった。
相性が悪かったのか。
不仲に心塞いだが、違う相手に出会っていれば、わたしは存在しない。
おびただしい量の絹のスカーフや美しいハンカチのなかから少し。
ガーゼのような柔らかい木綿のうちあわせの寝巻。
もっと欲しいものはあったが、重いスーツケースと旅を続けるのに滅入って、最小限にとどめた。
まだ腰の痛みが残っていたし、欲張ってスーツケースが重くなり、状態が悪化するのは嫌だった。
家紋を染めた喪服も迷ったが、置いて来た。
薬局で求めたムヒパッチも仁丹も、かさを減らすために箱から出してスーツケースに詰めた。
夜更けの大分の繁華街で、薬局からホテルへ歩きながら、買ったばかりの10箱のムヒパッチを箱から出しながらバッグに詰め、みあが空箱を受け取って潰した。
それがおかしいとみあは笑っていた。
ほかには、龍角散、塩昆布、吉野葛、麴、緑茶。
みあが気に入ったのは、MINTIAというミント。
檸檬、桃風味も試したが、葡萄味が抜群にいいと、仁丹に満足しているわたしに勧める。
一粒もらったら、おいしい。
ともだちに配る、とたくさん買った。
あきらにも、煙草を諦められない夫にも。
松栄堂でお香も買った。
みあは、日本の若いひとのファッションをおもしろいと観察。
ルースなカーゴパンツがいいと、ユニクロで一着求めてさっそく着ていた。
日本では長いスカートを着ているひとが多いのも、目に珍しい。
ほんとはほかにも買い物するつもりのものがあったけど、面倒になってしまった。
なきゃ、ないで、すむ。
”きょうまでなくて難なく暮らしていたのを欲するのはどういうことか”とは、物欲と戦うときの自問だが、あんまり効果がない。
帰宅して人心地すれば、あれもこれも持って帰るんだった、と往生際悪く後悔している。
by ymomen
| 2023-06-15 00:40
| 帰省
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