2017年 06月 29日
フィルター |
みあとコンビニエンスストアに寄った。
町はずれにあるそのお店は、フライドチキンのフランチャイズも兼ねていて、大型トラックのサービスができるガソリンスタンドでもあるから、いつもたくさんトラックが停車している。
フライドチキンの注文を待っていたら、みあが腕にしていたヘナに気づいた青年が、それを入れ墨だと思って褒めた。
みあは、入れ墨じゃなくて、ヘナというので、1週間もすれば消えてしまうのだと説明した。
わたしに向かって、ママが入れ墨しちゃいけないって言うんだろう、と言うから、一生からだに残ることだから軽はずみに考えられない、と答えた。
どこから来たのかと言うから、この街に住んでいる、と言うと、わたしたちの姿から、もともとアジアのどこからやってきたのか、と聞きたいらしい。答えると、すぐさま、自分のガールフレンドはタイ人だった、と言う。
そういうことを話したかったらしい。
彼女のことを毎日考えているというから、彼女はいまどこにいるの、と訊いたら、場所で答えないで、ストリッパーになってて、ピンプが目を離さないから自由になれないんだ、と言う。
おかしな話の展開になって、みあの耳をふさぎたいけど、遅い。
みあは、そうびっくりした様子もなくて、男の話を聞いている。
フライドチキンを受け取って、男に、彼女にまた会えるといいね、と言って別れた。
それだけのことだったけど、母として、もうみあにフィルターをかけられなくなったと思った。
高校に上がってから、いろんな境遇のひとと知り合い、それはほとんどが同じ学校に通う高校生なのだけど、テレビや映画のなかでしか知らなかった暮らしがあることを知った。同情とショックだけでは、そんな現実を受け止められなくて、やがてそういうひとたちとの共存するには、自分のバウンドリーを意識しながら、可能な限り、相手の存在をあるままに尊厳する、ということを覚えた。
そういう環境が心配で、私立の学校を選ぶ親の気持ちもわかるけれど、いずれは社会に出て学ぶことだから、それも勉強のうちだとわたしは思う。
みあの親しいともだちには優等生が多く、それでもお酒を飲んだり、マリワナを吸ったり、という子はいる。
みあをよく知らない子は、みあもマリワナを吸う習慣があると思っていたという子が多い。
お酒もドラッグも一切使わないけど、妙に落ち着いているところが、マリワナ愛煙者の特徴に似ているという。
お酒もマリワナも使うというともだちを別段非難するわけでもない。
映画やテレビドラマなど、一緒に観たいものがあれば、もうセックスやヌードの場面のないものを選ぶのは不可能だ。
親のほうが慌てて、そういう場面になって早送りしようとすると、実はなんというものではないかわりに、その間にあった会話を聞き逃して話がわからなくなったりしたり、早送りが進みすぎて戻したりしていると白けてしまって、おもしろくない、ということもある。
いまはみあも自分のパソコンで観たいものは観ているから、あたふたしているのは、親だけで、下手に騒ぐほうがみっともない。
留守番している間に観たい映画やテレビドラマはたくさんあって、みあが勧めるのは、”Game of thrones"
セックスシーンがたくさんあってうんざりするけど、おもしろい話だよ、と冷静にわたしに警告した。
by ymomen
| 2017-06-29 11:50
| こども
|
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Comments(7)
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manami
at 2017-06-30 21:49
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8月でうちの娘もあっという間に20才になるのだけど、知らないうちにそんなことも平気で話題になるようになって、子供の成長は早いと思いつつも、自分のときと重ね合わせてみるこの頃です。
当たり前だよねって思います。
当たり前だよねって思います。
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Mira
at 2017-07-01 09:38
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自分自身の子供はおりませんが、姪が2人おります。
1人は今年高校生になったばかりです。私がアメリカで、姪は日本なので、本当に1年に1度くらいしか会えません。
親ではないけれど、やはり私も心配です。学校で付き合う友達に悪いように影響されなければいいなぁとか。
姪は中学生の頃から吹奏楽部で、毎日練習が大変のようです。部活動に参加している間は大丈夫かなぁと思っているんですが、こういうことは親や親戚が心配しても、多分本人は大人の知らないところで、本人なりに成長をしていくんでしょうね。
そして、私もお嬢さんと同じく、Game of Thrones、大好きです。はまりました。登場人物がどの人物を取っても生き様が面白いのです。普通、ああいったドラマは良い役、悪い役がはっきりしていて、悪い役は嫌いとなるんですが、悪い役も悪い役でとても魅力があるんです。
1人は今年高校生になったばかりです。私がアメリカで、姪は日本なので、本当に1年に1度くらいしか会えません。
親ではないけれど、やはり私も心配です。学校で付き合う友達に悪いように影響されなければいいなぁとか。
姪は中学生の頃から吹奏楽部で、毎日練習が大変のようです。部活動に参加している間は大丈夫かなぁと思っているんですが、こういうことは親や親戚が心配しても、多分本人は大人の知らないところで、本人なりに成長をしていくんでしょうね。
そして、私もお嬢さんと同じく、Game of Thrones、大好きです。はまりました。登場人物がどの人物を取っても生き様が面白いのです。普通、ああいったドラマは良い役、悪い役がはっきりしていて、悪い役は嫌いとなるんですが、悪い役も悪い役でとても魅力があるんです。
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ymomen at 2017-07-01 12:00
> manamiさん
こどもたちには当然好奇心があって、仲間内で親の常識ではしてはいけないことをいくらかしてみたり、見てはいけないものをのぞいてみたりして、どきどきしなから発見していくんですね。
おとなになってこども時代を見つめれば、たった20年そこらでひとは成人してしまう。
その間にいろんなことを勉強しなきゃならない。悩みも多いわけだ、と思います。
こどもたちには当然好奇心があって、仲間内で親の常識ではしてはいけないことをいくらかしてみたり、見てはいけないものをのぞいてみたりして、どきどきしなから発見していくんですね。
おとなになってこども時代を見つめれば、たった20年そこらでひとは成人してしまう。
その間にいろんなことを勉強しなきゃならない。悩みも多いわけだ、と思います。
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ymomen at 2017-07-01 12:09
> Miraさん
みあを見ていると、わたしもよくそれだけのことを毎日こなしていると感心します。
本人にしてみれば、わたしたちが思うほど大げさに意識してないみたいです。
高校生になると、こどもにできることは、あまり干渉しないで、ある程度自由にさせて信頼することのように、みあの場合は思うけど、あきらには、そう思えないかもしれません。
Game of thrones、ご覧になりますか。
みあもMiraさんがおっしゃるようなことを言っていました。
好きな理由のこと。
ファンタジーという種類があまり好きではないのだけど、見始めたらのめりそうな予感です。
みあを見ていると、わたしもよくそれだけのことを毎日こなしていると感心します。
本人にしてみれば、わたしたちが思うほど大げさに意識してないみたいです。
高校生になると、こどもにできることは、あまり干渉しないで、ある程度自由にさせて信頼することのように、みあの場合は思うけど、あきらには、そう思えないかもしれません。
Game of thrones、ご覧になりますか。
みあもMiraさんがおっしゃるようなことを言っていました。
好きな理由のこと。
ファンタジーという種類があまり好きではないのだけど、見始めたらのめりそうな予感です。
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at 2017-07-04 01:09
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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at 2017-07-04 02:03
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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ymomen at 2017-07-05 09:11
> Yさん
そうでしょうね。みあの読む本でおもしろかったといえば、わたしも読みます。
みあを影響しているものが何かを知りたいから、彼女が勧めるものを、知りたいです。
そうですね。そんな対話をしようと思います。
あの二人は親戚でしたか。知りませんでした。どうりで。
1年生のとき、ある夕方にふたりで家にやってきたことがありました。
距離からして、そうふらりと歩いてこれる近さじゃないといまになって思いました。
あきらがもうすぐ14歳になるので、あなたの当時の年齢だと意識して読みました。
そんなことがありましたか。
それなら、クラスが違っていましたね。
聖香らしい話です。いまも変わらず、さっぱりした人柄です。帰省時、こどもたちを連れてお店に行きました。時差ぼけでおいしい料理をいただくなり、お座敷でこどもたちは眠ってしまいました。
もっと書きたいことがありますが、そちらからのコメントはわたしのみに見えるけれど、わたしからのは公開されるので、書く内容が限られるので残念です。
そうでしょうね。みあの読む本でおもしろかったといえば、わたしも読みます。
みあを影響しているものが何かを知りたいから、彼女が勧めるものを、知りたいです。
そうですね。そんな対話をしようと思います。
あの二人は親戚でしたか。知りませんでした。どうりで。
1年生のとき、ある夕方にふたりで家にやってきたことがありました。
距離からして、そうふらりと歩いてこれる近さじゃないといまになって思いました。
あきらがもうすぐ14歳になるので、あなたの当時の年齢だと意識して読みました。
そんなことがありましたか。
それなら、クラスが違っていましたね。
聖香らしい話です。いまも変わらず、さっぱりした人柄です。帰省時、こどもたちを連れてお店に行きました。時差ぼけでおいしい料理をいただくなり、お座敷でこどもたちは眠ってしまいました。
もっと書きたいことがありますが、そちらからのコメントはわたしのみに見えるけれど、わたしからのは公開されるので、書く内容が限られるので残念です。